赴くままに

〜世界と音楽と自然と〜 思考や感動を言葉にしたくなった時に書きたい。

Hello, Sadness.

  「悲しみよ こんにちは」という本を手に取ったことでサガンという作家に出会った。インターネットであるサイトに紹介されていたサガン

  悲しみよ こんにちは。新鮮な描写。新鮮な刺激。恋愛観について考えさせられる。いや、実際には、この本が語りかけてきた価値観は、時間を割いて考えるには深すぎるものだった。この本で語られる登場人物達の醜いともいえる人間らしさと「父を愛していたアンヌの自殺」という事実は頭の中になんともいえない感情を残した。この感情は悲しさともいえる。何はともあれ、フランスの詩人の詩を引用する所も含めて、サガンにはセンスを感じる。

  また、本の後ろのあとがきにも興味深いことが書かれている。60年代、日本の若者が「革命」「自由」「解放」を掲げて政治にも積極的だった時代だというのは私も知っている。そんな彼らがサガンを読んでいた...私は文学少女とは程遠く、ノンフィクションばかり読む傾向にはあった。サガンは私に新しい道を提示してくれたように思う。